学費の全てを賄うことも可能な教育訓練給付制度も
看護師になるための学校の情報を集めています。
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社会人から看護師を目指すなら
社会人を対象とした「社会人入試」
看護師にとして働くための看護師資格を得るためには、専門教育を受けられる学校で学ぶ必要がありますが、専門学校や高校の看護科(衛生看護科)、短大の看護科、大学の看護系学科などさまざまな学校があります。
高校の看護科や一部の短大を除く看護師になるための学校では、社会人でも受験資格があることが一般的です。なかでも柔軟に社会人または社会人経験者を受け入れているのが、専門学校です。
社会人または社会人経験者が大学の看護科を目指す場合、多くは一般の受験を新卒者などと一緒に受けることになります。これに対して、多くの専門学校の入試では、社会人または社会人経験者を対象とした「社会人入試」を一般入試とは別枠で設けています。
しかし、社会人が学校に通う際に一番問題となるのは、お金の事かと思います。そこで、下で紹介する「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」の利用をぜひ検討したいところです。
専門実践教育訓練での教育訓練給付制度
専門実践教育訓練指定講座
准看護師などの資格を持たない社会人が看護師を目指す場合、通常は3年間または4年間専門学校などの学校に通う必要があり、この間は仕事が出来ない場合がほとんどです。
看護師に関する学校に限らず、社会人または社会人経験者が学校に通うことを考えた場合、もっとも懸念されることは金銭的な面かと思います。このような懸念をやわらげてくれる国の制度があり、それが「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」(専門実践教育訓練給付金)です。
社会人が看護師を目指すのであれば
「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」とは、「働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるもの」(厚生労働省サイトより)で、雇用保険の給付制度です。
具体的には、一定期間(通常3年間※)雇用保険被保険者期間があるなどの受給資格を満たした人が、「専門実践教育訓練指定講座」となっている学校(学科)へ通う場合、給付金が受けられるものです。
※初めて教育訓練給付の支給を受ようとする方は2年。
准看護師を目指す場合にも
看護師資格を目指せる「専門実践教育訓練指定講座」は専門学校が多く、この面も社会人から看護師を目指すには看護専門学校が向いている部分です。また、「専門実践教育訓練指定講座」となっているのは看護師を目指す学校だけでなく、准看護師を目指す准看護学校でも指定となっている学校があります。
学費の心配を軽減できる制度
学費がすべて賄えることも
「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」(専門実践教育訓練給付金)を利用する場合には、事前にハローワーク(公共職業安定所)で申し込み手続きなどを行うことになります。
「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」は雇用保険被保険者としての就労経験がある程度あれば、多くの方が対象となる制度です。自分がこの給付制度の対象かどうかについて、ハローワークで「支給要件紹介」をすることで確認できますので、確認しておくといいでしょう。
さらに、受講開始時に45歳未満で離職しているなどの一定の条件を満たす方は、受講をさらに支援するため、「教育訓練支援給付金」を受給することが可能です。(ただし、教育訓練支援給付金は令和7年3月31日までの時限措置です。)
平成30年から専門実践教育訓練給付金が拡充されており、場合によっては専門実践教育訓練給付金と合わせて、学費の全てをこの給付金でまかなうことも可能な制度となっています。社会人または社会人経験者で看護師を目指そうと考えている場合には、「専門実践教育訓練指定講座」となっている学校を志望校として検討してみるといいのではないでしょうか。
講座指定は随時継続更新されますが、まれに継続しない学校(学科)があります。
そのため、最新の講座指定については各校に資料請求するなど直接確認することをおすすめします。
特に、専門学校の場合、大学等への進学者の割合が多くなると指定講座の要件を満たせなくなり、講座の指定を継続できないケースが散見されます。
対象となる学校講座は全国に
専門学校を中心に全国で利用可能
「専門実践教育訓練での教育訓練給付制度」の対象となる学校(講座)は、北海道から沖縄県まで全国に存在し、看護師資格や准看護師資格を目指す場合対象となる学校の多くが専門学校となっています。
例えば看護師資格を目指す場合、2024年4月の時点で全国で268講座※ がこの制度の対象となっており、准看護師を目指す場合、全国で46講座が対象となっています。
※准看護師の資格保有者が看護師を目指す講座(通信教育も含む)を含む。
この制度を運営する厚生労働省による「専門実践教育訓練での教育訓練給講座検索システム」も公開されていて、志望校が対象となっているかの確認や、制度の対象となっている学校を前提に志望校を絞り込みたいときなどに活用できます。
本来であれば志望校に資料請求するなど直接確認することが理想ですが、各校に直接問い合わせるのが躊躇われる場合やまだ志望校が絞り込めていない場合など、活用してみるといいかもしれません。